on や off のように、見た目は前置詞だけど、副詞として扱われるものがあります。今回はこの副詞の正体を暴きます。そして、今まで抱いていたモヤモヤ感を払拭しましょう!
Get on the bus! (バスに乗れ) [on 前置詞]
Get on! (乗れ!) [on 副詞]
同じ on でも最初の文の on は前置詞、2文目は副詞。簡単に言ってしまえば、最初の on は後に名詞 the bus が続いているので前置詞、2文目は名詞がないので副詞というルールです。
個人的には副詞と扱わず前置詞として考えればよいと思っていますが、後ろに名詞がないので、文法的ルールでは副詞として扱わなければならないのでしょうね。だから学校英語では同じ on でも前者は前置詞で、後者は副詞と区別をつけたがるのではないでしょうか。
「これら副詞の正体が実は前置詞なのでは?」と薄々感じているかたもいるかと思いますが、そうなんです、これらの副詞は前置詞からの拡張と考えればよいのです。
その前に、まず、次の文で副詞の謎解きをしてみましょう。
He took the shoes off. (彼は靴を脱いだ)
take off 「~を脱ぐ」という句動詞の off は文法的には「副詞」として扱われています。
では、この文を前置詞 off を使って次のような文にしてみましょう。
He took the shoes off his feet.
off は接触している状態から離れる、つまり「分離」が基本イメージです。
He took the shoes off his feet.
X Y
つまり、足(Y)から靴(X)が離れる
これが「靴を脱ぐ」という意味です。
「靴を脱ぐ」というのは、このような関係が成り立っているのです。
He took his shoes off his feet. も間違った文ではありませんが、his feet とあえて言及しなくとも分かりますよね。靴は必ず足から離れるものです。手からは離れたりはしませんね。だから、わざわざ his feet と言わなくともよいのです。
もうお分かりですね。
He took the shoes off. という文は、his feet が省略されたものなのです。つまり、his feet がなくとも、前置詞 off が残っていれば、靴が足から離れるということは容易に想像できるのです。そして、この省略の結果、名詞が消え、off が副詞にされてしまったと考えればよいのです。
これが副詞 off の正体だったのです。
では、take off の違う例文を見てみましょう。どれも日本語訳は異なりますが、どれも何から何かが離れるというイメージは同じなのです。
Their plane took off 10 minutes ago. (彼らの飛行機は10分前に離陸した)
Their plane off the ground 地面から飛行機が離れたという意味で「地面」が隠れていますね。
She took a day off from school. (彼女は学校を1日休んだ)
a day off her schedule 彼女のスケジュールから a day が離れた。つまり「スケジュール」のようなものが隠れています。from が結びつけているのは She from school で、彼女が学校から離れているイメージです。
今までモヤモヤしていた前置詞のような副詞の正体が分かれば、ちょっとスッキリしませんか。もう前置詞とか副詞とかそんな難しい考え方をせずに、イメージで捉えるようにすれば、私たちノンネイティブにとっても決して高いハードルではありません。
あとは習うより慣れよ。
どんどんイメージ作りを練習していきましょうね!
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