学校で習う仮定法は現代英語にはない!

仮定法の文はどれ?

1) If he knew her phone number, he would tell you.

2) She insisted that he be invited to the party.

3) God bless you!

答:2)と3)

えっ、1)は仮定法ではないの?

こんな声が聞こえてきそうですが、現代英語では1)を仮定法とは扱っていません。

実は、私たちが学校で習う仮定法過去と仮定法過去完了は現代英語では仮定法とは言わないのです。

Practical English Usage (Swan) やThe Cambridge Grammar of the English Language (Huddleston and PUllum) などの記述文法書では現代英語に残っている「仮定法」は次の限られた用法のみであると指摘しています。

現代英語の仮定法 (Subjunctive mood)

1) if 構文の were を使う表現

If I were you, I would quit the job.   (私があなたなら、私は仕事をやめるだろう)

2) 一定の動詞(形容詞)に続くthat-節内で原形動詞を使う表現

She insisted that he be invited to the party. (彼女は彼を会に招待すべきだと主張した)

3) 祈願・願望の固定表現

Long live the Queen!  (女王陛下万歳!)  God bless you! (神の祝福を!)

つまり、学校英語で習う、

仮定法過去:If he knew her phone number, he would tell you.

仮定法過去完了:If he had known her phone number, he would have told you.

これらは現代英語では仮定法(Subjunctive mood) とは言わないのです。

「じゃあ、私たちが学校で習う仮定法過去ってなんなの?」

それは、想像世界の条件を表す文のことです。

if は条件を表す接続詞ですよね。

If he knew her phone number, he would tell you.

(彼が彼女の電話番号を知っていれば、あなたに教えるでしょう)

この文は想像の世界における条件節なのです。

では想像の世界とは何でしょう?

現実の世界の反対側にある世界です。

「ちょっと、何言っているかわかりません」という声が聞こえてきそうですね。

難しく考えずに、まず、現実世界のことをイメージします。

現実世界では「彼は彼女の電話番号を知らない」という前提があります。「彼女の電話番号を知らない」という現実世界から想像世界に入り、実際には電話番号を知らないけど「彼女の電話番号を知っていたら…」と想像しているだけなのです。

難しい文法用語を使わずに、ちょっと異なる角度から if 構文を学ぶのも一つの手ですよ。

では、また!

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