どうして A book is on the table. は不自然なの?
次の英文は正しい?
A book is on the table.
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問題文は完全な間違いではありませんが、不自然な英文となります。
その理由は英語には「文末焦点の原則」というルールが根底に流れているからです。
文末焦点の原則とは話し手と聞き手がすでに知っている旧情報を主語にして、聞き手が知らない新情報を文のより後に置くという英文構成上の原則の1つ。
例えば、I live in Vancouver. のような、簡単な文をみてもわかると思いますが、I が旧情報(話し手と聞き手の双方がすでに了解している情報)で、in Vancouver が聞き手の知らない新情報になり文末に置かれているのです。
次のような質問文と合わせて考えるとよりわかりやすいと思います。
Where do you live? → I live in Vancouver.
聞き手の知らない新情報 (in Vancouver) が文末に置かれているでしょう。
このように配列(語順)言語の英語では、話し手と聞き手がすでに知っている旧情報を主語にして、聞き手が知らない新情報を文のより後に置くという文末焦点という配列の原則を持つのです。
同じように問題文も考えてみましょう。
What is on the table? → A book is on the table.
何がテーブルの上にありますか? → 1冊の本がテーブルの上にあります
What の答えとなる新情報 A book がいきなり文頭に出ているのは非常に不自然な感じを与えます。なぜならば、前述した旧情報から新情報への流れを原則とする文末焦点の原則に違反しているからです。
英語ではこの不自然さを解消するために場所ではなく存在を表わす there を文頭に置き、
There is a book on the table. と表現するのです。
