過去形と現在完了形の和訳の違いがよくわかりません。

次の現在完了形の文を訳してみましょう。

I have lost my keys.

答:今、カギがありません

学校英語で習う「私はカギをなくしてしまった」という訳も間違いではありませんが、この訳だと過去形みたいな訳になり違いがよくわかりませんよね。

過去形と現在完了形の決定的な違いは「」を話し手が意識に含むかどうかです。

事柄が終わったという点では両者は共通していますが、過去形には「今」は含まれておらず、現在完了形には「今」が含まれています。

現在完了を時制という側面から説明すると、その字の如く、過去ではなく「現在」に属します。

これは話し手の意識はあくまでも現在、つまり、「今」にあるということです。ただ話題にしている動作(状態)が終了しているので「完了」という言葉がつくのです。

では、過去形と現在完了形との違いを比較してみましょう。

I lost my keys last month. (先月、カギをなくした )[過去形]

I have lost my keys. (今、カギがない) [現在完了形]

最初の過去形では「カギを無くした」という出来事は過去で終わった事柄で、話し手の意識の中では「今」を含んでいません。つまり、過去形からは「過去でカギをなくしたが、今、もう新しいカギを持っている」または、「なくしたカギが見つかった」ことが予想できます。先月カギをなくして、ずっとカギがない状態は不自然ですよね。

2文目の現在完了形の文で一番伝えたい部分は「今」の意識です。なくした結果、今、カギがない状態。だから、家に入ることができない、または、困っている様子のイメージが浮かぶのです。

I lost my keys last month. → 今はカギがあり、家に入ることができる

I have lost my keys. → 今カギがないので、家に入ることができない

このように「現在完了形」と「過去形」では180度意味が異なる時制なのです。

現在完了形のポイントは have です。

つまり、I have lost my keys. という文は「カギをなくした状態を、今、have している」つまり、カギをなくした状態を「今」持っているというイメージなのです。

こんな風に現在完了形を捉えれば、過去形との違いも明白になりますね。

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