倒置構文の本質
TOEIC問題
Included in the cost of admission to the Vancouver Museum is an ______________ illustrated catalog.
(A) attract
(B) attraction
(C) attracted
(D) attractively
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時間 :15秒以内
難易度:★☆☆
答 :(D)
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次の文の主語はなに?
Included in the cost of admission to the Vancouver Museum is an illustrated catalog.
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答:an illustrated catalog
問題文は An illustrated catalog is included in the cost of admission to the Vancouver Museum. の文が倒置され、主語 An illustrated catalog と補語 included in the cost of admission to the Vancouver Museum をひっくり返した構文です。
この手の文はビジネス文書ではよく見かける倒置構文とか強調構文とか呼ばれる文ですが、そんなに難しく考える必要はありません。
決して文頭に出したものを強調しているのではなく、新情報が異なるだけです。
英語の原則の一つ、新情報を文末に置くという文末焦点の原則に照らし合わせればそんなに難しいものでもありません。
文末焦点の原則とは、話し手と聞き手がすでに知っている旧情報を主語にして、聞き手が知らない新情報を文のより後に置くという英文構成上の原則の1つです。
例えば、次のような簡単な質問文を見てもわかると思いますが、
Where do you live?
↓
We live in Vancouver.
聞き手の知らない情報は Where です。そして、答えるときには話し手と聞き手がすでに了解している We を主語にして、聞き手が知らない in Vancouver を文末に置いて答えるのです。
知っている情報から始まり、聞き手の知らない情報で終わる。これが英文の自然な流れ(語順)なのです。
この原則の観点から次の2文を見てみましょう。
An illustrated catalog is included in the cost of admission to the Vancouver Museum.
(挿絵の入ったカタログはバンクーバー博物館の入場料に含まれています)
この文の is の後に置かれている情報(included 以下)が聞き手にとって新情報になるのです。つまり「入場料に含まれている」という情報が、聞き手や読み手にとって新情報となるのです。
それに対して、
Included in the cost of admission to the Vancouver Museum is an illustrated catalog.
(バンクーバー博物館の入場料には挿絵の入ったカタログが含まれています)
この文の is の後に置かれている情報(an illustrated catalog)が聞き手にとって新情報になるのです。つまり「挿絵の入ったカタログ」が、聞き手や読み手にとって新情報となるのです。
見た目には「あれ?」と思える文かも知れませんが、ルールは至ってシンプルなのです。
以前(まだあるのかな?)アディダスのスローガンで Impossible is nothing. というスローガンを見たことありませんか?
これも一見すると「あれ?間違っていない?」なんて思われがちですが、これも単に新情報が異なるだけです。
Nothing is impossible. (どんなことでも不可能ではない)
Impossible is nothing. (不可能なんてありえない)
こんなニュアンスの違いがあります。
最初の文は impossible が新情報で、2文目は nothing が新情報になっているのです。
なんとなく2文目の方がインパクトがあるように思えませんか。だから、倒置構文は強調構文と言われるのです。
倒置構文もこんな風に文末焦点の原則に照らし合わせれば、意外と簡単でしょう。
丸暗記も悪くないけど、理屈とイメージがわかると英文が無機なものから有機なものに変わると思いませんか。
こんな風に倒置構文を捉えるのも一つの学習方法です。
