前置詞はイメージで捉える! for vs. on
適切な前置詞はどっち ?
She shut the door ( for / on ) me.
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答:どちらも正しい選択ですが、 for と on では意味は異なります。
どちらも「対象」の意味を持つ前置詞ですが、どうして意味が異なるのでしょう。
各々の基本イメージからの拡張イメージで捉えると、違いがよりクリアーになります。
まずは前置詞の基本イメージから考えてみましょう。
for の基本イメージは「方向」
彼女は私に代わってドアを閉めてくれた
She shut the door for me.
例えば、
My daughter left for school.
この文は出発した時点で娘が学校へ向かっていたことを意味します。つまり、学校の「方向」に向かって家を出たという意味です。
これが for の基本イメージです。
どうして「方向」から「対象」のイメージになるのか?
少し頭を柔くして問題文を考えてみましょう。
She shut the door for me.
例えば、私の手がふさがっていたので、彼女は私に代わってドアを閉めてくれた。こんな場面を想像してみてください。
両手がふさがってドアが閉められない私のことを気遣ってくれて、彼女はドアを閉めてくれた。
これは彼女の意識が私の方を向いているイメージです。
つまり、彼女の意識の「対象」が私なのです。
意識が私の方を向いて、私がドアを閉められないことを知って、彼女は私の代わりにドアを閉めてくれた。
He carried the bag for me. (彼は私に代わってバッグを運んでくれた)
これも同じイメージですよね。
このようにコアイメージ「方向」から「対象」というイメージに拡張するのです。
on の基本イメージは「接触」
She shut the door on me. (彼女は私の鼻先でバッタンとドアを閉めた)
例えば、
There is a picture on the wall. (壁に絵がかかっている)
この文は絵が壁の側面に接触していることを意味します。
これが on の基本イメージです。
どうして「接触」から「対象」のイメージになるのか?
少し頭を柔くして問題文を考えてみましょう。
She shut the door on me.
ドアを私に接触させるようなイメージを想像してみてください。
例えば、浮気がバレていることも知らずに彼女のアパートに行ったとき、ドアを開けた彼女は私の顔を見るなり、いきなりドアをバッタンと閉めた。こんな場面を想像してみてください。
何事もないような顔をして訪れた私に対して、浮気を知った彼女はドアを私にぶつけるかのように閉めたのです。
彼女はドアを私に接触させようとした、つまり、ぶつけようとしたイメージです。
つまり、怒りの「対象」が私なのです。
このように「対象」の on は攻撃・敵対の意味が加わることがあります。
There have been several attacks on foreigners recently. (最近外国人に対する襲撃が数回あった)
これも同じイメージですよね。
このようにコアイメージ「接触」から「対象」というイメージに拡張するのです。
辞書で for や on を調べると、どちらも「対象」「方向」という意味があります。しかし、同じ対象でも for と on では全く異なる意味になることに注意しましょう。
基本(コア)イメージが異なるので、拡張イメージも異なるのです。
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